この患者さまの体を診ますと、体全体が鋼鉄のようにカチカチでした。

当初、どこから手をつけてよいのか、という感じでした。

とくに、肩は巻き肩で、背中と同様みに胸部の筋肉も硬く張っており特に胸鎖関節

肩鎖関節が大変に窮屈で、腕が上がりますが、肩甲骨の動きがかなり制限された状態

でした。肩甲骨は、左側の方が重いためか動きが悪く、また右側の肩甲骨の位置は

背骨から少し離れています。

施術はまず、硬い腹部のゆるめ、体全体の緊張を取っていきます。

全体が弛んだところで、患部の治療に入りますが、まず肩の胸郭を作る胸鎖関節の緊張を

取っていきます。

鎖骨と胸骨（胸部の中央にあります）の関節ですが、肩こり・五十肩・腕やての痛みがある

ほとんどの方は、この胸鎖関節が緊張しており、施術の際に痛みを感じます。

この関節がかなり窮屈な方は、弛むまでに時間がかかります。

弛んでくると、次第に痛みは軽くなります。

次に、肩鎖関節を弛めます。肩鎖関節は肩甲骨の肩甲骨先端の突起部分と鎖骨

との関節です。

この部分が硬いと肩の関節の隙間がなく窮屈なかんじです。

緊張度合いが強いと、少し押さえるだけども痛みを感じます。

最後に肩甲骨の動きが良くなるよう、肩甲骨と肋骨（胸郭）の関節を弛めていきます。

今度は、左親指の治療ですが、周辺の筋肉の硬さや手の骨同士の関節の隙間なく動き

が悪いです。

痛くない程度に、少しづつ丁寧に弛めていきます。

このような治療を何回も行い、今では左肩かなり楽になり、左親指の痛みも落ち着いて

きています。左肩が落ち着いたのか、今では右の肩の治療をしています。

左親指の痛みも患部だけ治療するのでなく、肩周りもしっかりゆるめる治療そをすることで

痛みも軽くなると同時に、また持続性も出てきます。

肩の痛みを放置しておくと、次第に腕・手に負担がかかり、痛みとなって慢性化していき

ます。

腕や手が痛くなったら、まず肩からの治療を考えていただきたいと思います。